政治家構造論 補論⑩|支配構造に変えられた者は政治を変えられない
政治を変える前に、
支配構造によって、
自分が変えられてしまった人に、
政治は変えられない。
人は、
最初から支配したいと思って、
政治に入るとは限らない。
誰かを助けたい。
社会を良くしたい。
理不尽を変えたい。
そう願って、
政治へ向かう人もいる。
だが、
支配構造の中に入ると、
人は少しずつ変えられていく。
嫌われないように、
言葉を選ぶ。
評価されるように、
態度を整える。
上に逆らわないように、
違和感を飲み込む。
仲間でいるために、
おかしいことを、
おかしいと言わなくなる。
そしていつしか、
変えるはずだった構造に、
自分が適応していく。
支配構造の怖さは、
人を従わせることだけではない。
従っている自分を、
賢さだと思わせることである。
黙ることを、
調整だと思わせる。
迎合することを、
現実的だと思わせる。
見て見ぬふりを、
大人の判断だと思わせる。
だが、
それは政治ではない。
支配構造への適応である。
政治を変える人とは、
支配構造の中で、
うまく振る舞える人ではない。
その構造の中にいても、
自分の良心を失わず、
違和感を捨てず、
必要な時に、
おかしいと言える人である。
政治を変えるとは、
権力を手に入れることではない。
支配構造に、
自分の人格を明け渡さないことである。
政治を変える前に、
支配構造によって、
自分が変えられてしまった人に、
政治は変えられない。

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