支配構造論③|正しさは支配になる
人は、
正しいことが人を救うと思っている。
だが実際は、
正しさだけでは、
人は動かない。
なぜなら、
人間は感情で生きているからだ。
恐れ、
不安、
孤独、
承認欲求――
それらを無視した正しさは、
やがて人を追い詰める。
そして、
正しさが“絶対化”された時、
支配構造が始まる。
「正しいのだから従え」
この瞬間、
対話は止まり、
流動は失われる。
本来、
正しさとは、
固定された答えではない。
人も、
社会も、
感情も、
常に変化している。
だから本当の正しさとは、
更新され続ける調律である。
だが支配構造は、
その流動を嫌う。
なぜなら、
流動は不安だからだ。
だから人は、
数へ逃げる。
権威へ逃げる。
「みんなそう言っている」
「常識だから」
「前からそうだから」
それらによって、
自分の不安を隠そうとする。
そして多数派は、
次第に無謬化する。
違和感は、
空気を壊すものとして排除される。
だがその時点で、
組織は既に、
感情の流れを失っている。
人は、
正しさで繋がることはできない。
繋がりを作るのは、
共鳴である。
だから、
正しさだけを振りかざす組織ほど、
静かに壊れていく。
支配とは、
暴力だけではない。
“正しさ”によって、
人間の揺らぎを許さなくなる時、
支配構造は完成する。

まだ応答なし