AXC原理|支配構造は人格を変質させる原理
人は、
組織に入る時、
それぞれの思いを持っている。
こうしたい。
こうありたい。
これは、
守りたい。
これは、
間違っていると思う。
そこには、
その人なりの、
軸がある。
良心がある。
だが、
支配構造の強い組織では、
その軸を、
保ち続けることが、
難しくなる。
異論を言えば、
関係が悪くなる。
上に逆らえば、
役職を失う。
組織の方針と違えば、
評価が下がる。
空気を乱せば、
面倒な人になる。
選挙で不利になる。
次の機会を、
失うかもしれない。
すると、
人は、
少しずつ学ぶ。
言わない方が、
安全だと。
合わせた方が、
得だと。
疑問を持っても、
従った方が、
残れると。
最初は、
一度だけの妥協かもしれない。
今回は、
仕方がない。
今は、
黙っておこう。
もう少し、
立場ができてから言おう。
そう考える。
だが、
その妥協が、
繰り返されると、
人は、
自分の違和感を、
扱わなくなる。
自分の判断より、
組織の判断を、
先に見るようになる。
良心より、
空気を読むようになる。
正しいかどうかより、
通るかどうかを、
考えるようになる。
必要かどうかより、
評価されるかどうかを、
考えるようになる。
ここで、
支配構造は、
人を従わせるだけではなくなる。
人の判断基準そのものを、
変え始める。
もともと、
自分で考えていた人が、
上の判断を、
先に考えるようになる。
もともと、
異論を言えた人が、
沈黙を選ぶようになる。
もともと、
権力を疑っていた人が、
権力を守るようになる。
もともと、
人を見ていた人が、
票や数字や立場を、
見るようになる。
そして、
長くその構造にいるほど、
変化した自分を、
変化だと、
感じにくくなる。
これが、
組織では普通だ。
政治とは、
そういうものだ。
大人とは、
折り合いをつけるものだ。
現実を知らないから、
そんなことが言える。
そうして、
適応が、
正しさとして、
語られるようになる。
だが、
適応できることと、
人格が成熟することは、
同じではない。
支配構造への適応は、
時に、
人格を育てるのではなく、
人格の働きを、
弱くする。
自分を疑う力。
権力を疑う力。
異論を言う力。
不都合な事実を見る力。
間違いを認める力。
人を、
立場ではなく、
人間として見る力。
そうしたものが、
少しずつ、
使われなくなる。
これは、
その人が、
最初から悪かったという話ではない。
人は、
置かれた構造に、
適応する。
だからこそ、
構造には、
人を変える力がある。
そして、
ここに、
支配構造の、
もう一つの怖さがある。
支配構造は、
服従できる人を、
残しやすくするだけではない。
服従しなければ、
残りにくい環境を作ることで、
もともと服従しなかった人まで、
服従できる人へ、
変えていくことがある。
つまり、
支配構造は、
人格を、
選別する。
そして、
人格を、
変質させる。
だから、
良い人を、
組織に入れればいいだけではない。
人格者を、
探せばいいだけでもない。
その人が、
良心を失わずに、
残れる構造なのか。
異論を言っても、
排除されないのか。
自分の判断を、
持ち続けられるのか。
間違いを認めることが、
敗北にならないのか。
権力を疑うことが、
裏切りにならないのか。
そこまで、
見なければならない。
人格は、
その人だけの問題ではない。
人格が、
働けるかどうかには、
構造も関わっている。
良い人を求めながら、
良い人が、
良いままでいられない構造を、
残してはいけない。
支配構造を変えなければ、
人格者を選んでも、
その人格を、
守ることはできない。

まだ応答なし