恋愛構造論⑩|共鳴としての愛
人は、
愛を「感情」だと思っている。
好き。
会いたい。
離れたくない。
もちろん、
それも愛の一部だ。
だが本来、
愛とは、
感情だけでは続かない。
感情は揺れる。
人も変わる。
環境も変わる。
昨日までの当たり前が、
明日には崩れる事もある。
だから人は、
愛を固定化しようとする。
関係を保証したい。
失いたくない。
変わらないでいてほしい。
だが、
本当に愛が壊れる時とは、
変化そのものではない。
互いを、
“人間”として見なくなった時である。
役割として。
所有物として。
安心装置として。
「こうあるべき存在」
として。
そうして、
愛は少しずつ、
共鳴を失っていく。
だが本来、
愛とは、
人間を固定化するものではない。
変化し続ける存在同士が、
なお向き合い続けようとする事。
違っても。
揺れても。
迷っても。
完全に理解し切れなくても。
それでも、
互いを人間として扱い続ける事。
そこに、
共鳴としての愛は存在する。
愛とは、
支配でも、
服従でも、
所有でもない。
人間が、
人間のまま、
共に在ろうとし続ける事。
その祈りのような営みを、
人は、
恋愛と呼ぶのかもしれない。

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