AXC原理

AXC原理|伝わったと思い込まない原理

人は、
自分の話は、
伝わっていると、
思いやすい。

自分の中では、
前提がある。

経験がある。

感情がある。

背景がある。

言葉になる前の、
感覚がある。

それらが、
全部つながっている。

だから、
少し話せば、
相手にも、
同じものが見えるような気がする。

だが、
相手には、
自分の頭の中は、
見えない。

同じ言葉を聞いても、
受け取り方は、
違う。

経験が違う。

価値観が違う。

感情が違う。

関係が違う。

知っていることも、
違う。

だから、
同じ言葉でも、
同じ意味には、
ならない。

伝えたつもりでも、
相手の中では、
別の意味に、
変わることがある。

言った。

だから、
分かっているはずだ。

説明した。

だから、
理解したはずだ。

そう思った時、
すれ違いが、
始まる。

本当に、
伝えるなら、
言った後も、
見なければならない。

相手は、
どう受け取ったのか。

同じ前提に、
立っているのか。

違う意味に、
なっていないか。

必要なら、
言葉を変える。

例を出す。

背景を話す。

もう一度、
説明する。

確認する。

それは、
しつこさではない。

伝達のずれを、
減らそうとする、
努力である。

だが、
人は、
長い説明を、
面倒だと感じることがある。

考えることを、
求められる。

前の話を、
覚えていなければならない。

複数の条件を、
同時に持たなければならない。

自分の解釈も、
疑わなければならない。

だから、
早く、
結論だけを、
求めたくなる。

要するに何。

短く言って。

もう分かった。

そうして、
思考を、
途中で閉じる。

だが、
短くした言葉ほど、
多くの前提を、
失うことがある。

前提を失えば、
相手は、
その余白を、
自分の解釈で、
埋める。

すると、
同じ言葉から、
違う現実が、
生まれる。

伝えるとは、
自分が、
言葉を出したことではない。

相手の中に、
自分が伝えたかったものに近い意味が、
再びつくられた時に、
初めて、
成立する。

だから、
伝わったと、
思い込んではいけない。

理解とは、
一度で、
たどり着くものではない。

何度も、
確かめる。

ずれたら、
戻す。

違えば、
言い直す。

分からなければ、
聞く。

その往復によって、
少しずつ、
近づいていく。

すれ違いを、
減らすために必要なのは、
完璧な言葉ではない。

自分の言葉が、
そのまま相手に届くとは限らないと、
知っていることである。

伝えるとは、
話すことではない。

相手と、
意味を、
つくり直すことである。

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