AXC原理

AXC原理|代表の原理

議員は、
支持者によって、
選ばれる。

選挙では、
人は、
自分が託したいと思う相手へ、
票を入れる。

考えが近い人。

期待できる人。

信頼したい人。

自分たちの声を、
届けてくれそうな人。

そうして、
議員は、
支持によって選ばれる。

だが、
当選した後に始まる仕事は、
支持者のためだけの仕事ではない。

政治家が向き合う相手は、
票を入れてくれた人だけではない。

支持しなかった人。

別の候補を選んだ人。

選挙へ行かなかった人。

政治に期待できず、
距離を置いた人。

声を上げられない人。

つながりを持たない人。

そうした人々もまた、
同じ地域に生き、
同じ社会の中で暮らしている。

だから、
議員は、
支持者によって選ばれるが、
政治家は、
支持しなかった人まで代表しなければならない。

支持してくれた人の声を聞くことは、
もちろん大切である。

その信頼に応える責任もある。

だが、
支持者の声だけを政治に乗せれば、
政治は、
代表ではなく、
身内の利益配分へ変わる。

支援してくれた人には応える。

近い人の話は聞く。

反対した人の声は軽く扱う。

自分を批判した人は遠ざける。

票にならない人は後回しにする。

そこでは、
議席は得ていても、
代表はできていない。

支持されなかった人の中にも、
痛みがある。

不安がある。

現実がある。

政治への失望がある。

届かなかった声がある。

その声を、
自分に票を入れなかったという理由で、
聞かなくてよいものとしてはならない。

むしろ政治家とは、
自分を支持しなかった人の痛みまで、
政治の中へ戻せる人である。

代表とは、
自分に近い人の願いだけを、
実現することではない。

異なる人々が、
同じ社会の中で生きられるように、
全体を整えることである。

支持者は、
政治家を選ぶ。

だが、
政治家をつくるのは、
当選後に、
誰を代表しようとするかである。

票をくれた人だけを見る者は、
議員にはなれても、
政治家にはなれない。

自分を支持しなかった人まで、
同じ地域の一員として受け取り、
その現実を政治へつなごうとする時、
人は初めて、
代表者になる。

代表に必要なのは、
人気ではない。

支持の数でもない。

身内を守る力でもない。

自分に近い人だけでなく、
遠い人、
反対する人、
届かなかった人まで、
切り捨てずに受け取る人格である。

支持は、
議席を与える。

代表は、
人格によって成り立つ。

議員は、
支持者によって選ばれる。

だが政治家は、
支持しなかった人まで代表する。

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