リーダー構造論

リーダー構造論⑦|人を燃やし尽くすな

人は、
熱量ある組織ほど、
良い組織だと思っている。

だが実際は違う。

熱量が高い組織ほど、
人を燃やし尽くしやすい。

本来、
人間の善意には、
限界がある。

責任感。

使命感。

情熱。

愛情。

それらは確かに、
人を動かす力になる。

だが同時に、
最も搾取されやすい力でもある。

支配構造は、
そこへ依存し始める。

「あの人ならやってくれる」

「頼めば断らない」

「責任感が強いから大丈夫」

すると次第に、
一部の人間へ負荷が集中していく。

本来、
共働とは、
誰か一人が燃え続ける構造ではない。

互いに支え合いながら、
流れを循環させ続ける構造である。

だが支配構造は、
短期的成果を優先する。

勝てばいい。

回ればいい。

今だけ持てばいい。

その結果、
熱量ある人間ほど、
静かに削られていく。

休めない。

断れない。

弱音を吐けない。

期待を裏切れない。

すると人は、
次第に、
“感情を止める”。

疲れている事すら、
分からなくなる。

だがその状態は、
「強さ」ではない。

摩耗である。

本来、
リーダーとは、
人の熱量へ依存する存在ではない。

むしろ、
誰か一人へ負荷が偏り始めた時、
最初に気付かなければならない。

なぜなら、
人間は、
燃料ではないからだ。

本物のリーダーは、
無償の共働者を、
当然だと思わない。

善意を、
使い潰さない。

責任感へ、
寄り掛からない。

むしろ、
「その人が、
人間のままで居られるか」
を見続ける。

だから本当のリーダーは、
熱狂だけを求めない。

誰か一人の犠牲によって、
回る組織を良しとしない。

人を燃やし尽くして得た成果は、
やがて組織そのものを、
静かに壊し始めるからだ。

リーダーとは、
人を使い切る存在ではない。

人が、
何度でも戻って来られるよう、
熱を循環させ続ける存在である。

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