恋愛構造論⑧|戻れる関係
人は、
恋愛が壊れる事を恐れる。
だから、
嫌われないように振る舞う。
空気を読む。
怒りを飲み込む。
本音を隠す。
そうして、
「壊れない関係」を作ろうとする。
だが本来、
本当に壊れやすい関係とは、
戻れない関係である。
一度怒れば終わる。
一度距離が出来れば終わる。
一度失敗すれば終わる。
そう思っている関係では、
人は少しずつ、
本当の自分を出せなくなる。
すると、
関係は続いているように見えて、
実際には、
互いが空気を演じ始める。
だが、
本当に強い関係とは、
一度も壊れない関係ではない。
揺れても、
戻れる関係である。
怒ってもいい。
ぶつかってもいい。
距離が出来てもいい。
大切なのは、
その後も、
互いを人間として扱い続けられるか。
「正しさ」だけで、
相手を裁き切らないか。
「恐れ」だけで、
相手を閉じ込めないか。
そして、
自分自身もまた、
失敗していい人間だと、
許せるか。
恋愛とは、
完璧な関係を作る事ではない。
壊れかけながらも、
なお戻ろうと出来る事。
その往復の中で、
人は、
愛と人間性を学んでいく。

まだ応答なし